【連載企画】COCOHELI STORIES 「いってきます」と「おかえりなさい」の間に。
vol.15 出会いはニュージーランドでのワーキングホリディ中だったという石島さんご夫婦。山に魅せられたお二人は長野に移住。登山ガイドとして働きながら、古民家を改築したパン屋さん『bakery house sacrito(ベーカリーハウスサクリト)』を営んでいらっしゃいます。日本アルプスの山々のふもとで、1歳になったばかりの愛息、作太朗くんとの3人暮らし。そんなご家族の休日にお邪魔しました。
石島さんと山の出会いは大学生3年生の時。「やはり日本人だし一度くらいは富士山を登ってみよう!」と、友人と一緒に富士山に登ったことがきっかけだそうです。もともと運動が好きで色々なスポーツをしていた石島さんは体力的にも問題なく、初めての富士登山は非常に楽しいものでした。この富士登山をきっかけに山の魅力にハマり、丹沢、奥多摩から始まり、大学を卒業して社会人になってからはますます本格的に登山を始め北アルプスまで登るようになったそうです。
本格的に登山を始めた大学卒業後、偶然幼馴染も同時期に登山をはじめていらっしゃったそう。週末2人で登山をして過ごすうちに、好きな山の仕事をしたいな、と思うようになったそうです。「好きなことを仕事にしたいという結構安易な感じでこの道へ入りました。山に関わる仕事であれば、登山ガイドか山小屋で働くかだと考えました。そして当時勤めていた会社を退職し、山岳プロ学科がある「国際自然環境アウトドア専門学校」へ入学。高校卒業したばかりの18歳から40代50代の人生経験豊富な方までが同級生。いろいろな人がいるのでとても面白かったです。そこで3年間しっかり学んで、登山ガイドステージⅡを取得しました。最終的には経験と勉強を重ねて山岳ガイド資格まで取りたいと思っています。まずは登山ガイドステージⅢ資格に向けて勉強中なのですが、今は住居の改築とベーカリーの開店準備で中断しているところです」と石島さん。
なんとベーカリーの改築は石島さんご自身で!ご自身は素人とご謙遜なさいますが、とてもおしゃれで素敵な仕上がりです。お店の名前『sacrito』は、家族みんなの名前‘竜平と智子と作太朗’をつなげたもので、気軽にさくっと、さくりと立ち寄っていただきたいという願いが込められているそうです。「山に来たついでに気軽にちょっと寄っていこうかみたいな。お店に立ち寄ってくださった方がつながっていく、そんな場所になったらいいなと願っています。庭も広いので、お店の前で山を眺めながらゆっくりパンを楽しんでいただければと思っています。」と石島さん。
お店から見える山並みはとても美しく、景色を眺めているだけでも癒されます。たくさんの人が集まる憩いの場になりそうです。
そんな石島さん、山に行くときは天気とファーストエイドキットなどの基本的な装備に気を付けているとの事。何かあったとき一晩こせるだけで生存率が大きく変わるので、必要な装備をしっかりと持ち、ココヘリを身に着けて山へ向かうそうです。
やはり山にいても家族のことを思い浮かべるのは危険な場所を通るとき。「危ないところを通過する時や無理しちゃいけないっていう時に家族の顔が思い浮かびます。独身の頃には、山登りは自分自身のチャレンジ・冒険でした。でも家族ができてからは、無事に帰らないとまずいな、二人が困るなと思い無理はしなくなりました。家族のもとに帰る、というのが何より大切なので。そのためにもココヘリを持っています。」とおっしゃっていました。お仕事でもプライベートでも山にいることが多い旦那様を送り出す智子さんにお話を伺いました。「彼は登山ガイドで山のプロではあるけど、やはり一度山に入れば長い期間不在になります、携帯の電波がいつも入るわけではないこともわかってはいるけれど、彼がいない間はやっぱり心配です。登山中はもちろん心配だし、下山後も疲れた体で長距離移動する。とにかくあれこれ心配です。やはり登山は大自然が相手、きちんと登山届けを出して十分な準備をしていても何があるかわからない。普通の会社勤めの方でもいってきますと出かけて事故に遭うかもしれないけど、そういった日常の危険に加えて山で何かあるかもしれないという仕事なので。ココヘリがあることでちゃんと帰ってきてくれるための手段が増えました。」ココヘリがあると安心感があるそうです。
『sacrito』・・・石島さん家族の想いと山を愛する方々への願いがこめられた小さなパン屋さん。ココヘリもご家族の新しいチャレンジに寄り添っています。
#ココヘリ