なによりも、「1日も早く自宅に帰してあげたい」というご家族の強い思いが、公的救助機関・ココヘリ・提携民間救助機関による早期解決につながった。
通常、捜索活動においては、ヘリに受信機を搭載して捜索することが最も有効な手段である。
しかしながら強風や雨、または現場山域の雲が低い等、視界不良条件下においてはヘリが山肌に接触する事故のリスクが高まるため、公的機関、ココヘリ提携民間ヘリともに出動を見送るケースも少なくない。
ココヘリでは、数年前から主要な戦力として受信機を搭載したドローンを運用しているが、本件においても遭難者の位置特定に大きく貢献した。(本事案を含め、ドローンでの位置特定は6件目の事例)
「ココヘリは積雪期の遭難では使えない」との誤解によるSNS等での発信も多く、会員の皆様もご心配かもしれません。
しかしながら今回のケースに限らず、冬山での遭難においても夏山同様にココヘリは捜索活動を実施、遭難者の発見に至っています。
繰り返しになりますが様々な安全登山への備えはもちろん、『登山計画書の共有』と『ココヘリ発信機の携行』を忘れずに登山をお楽しみください。
万が一の際にも、ココヘリは会員の皆様を発見するために全力を尽くします。
※個人情報や公的機関との機密保持の観点から一部内容を伏せています。
下山途中、雪が深すぎて何度もお尻ですべっているうちに、ザックの後ろのポケットにいれていた地図を落としてしまいました。さらに彷徨っているうちに沢に転落。やむを得ず、びしょびしょになりながら沢をくだるうち、気が付いたら携帯まで無くしていました。「死ぬな」と思いました。これ以上動くと滑落の危険もあると思い、平らな場所をみつけて、救助を待つしかないと覚悟しました。
民間ヘリコプターやココヘリ・ドローンチームによる捜索を行い、会員様を発見、救助組織へ引き継ぎます。
警察・消防組織の導入済みのココヘリを活用した捜索・救助活動が行われる際、ココヘリは警察・消防と連携、遭難者の情報共有やご家族のサポートなどの捜索協力を行います。
岩手県での登山中に起きた遭難に伴う捜索事例。
登山届が確認出来ず、捜索エリアを絞り込むことができず出動まで調整時間を要しましたが、幸いなことに、捜索開始から2時間で発見救助に至りました。
登山届や登山計画は必ず準備し提出。同時に、家族や友人へも共有をして下さい。登山届には、オンラインで提出でき、各自治体・警察と連携しているコンパスがお勧めです。ココヘリも提携しています。
見通しのよい尾根筋や山頂付近以外では、携帯電話も圏外になってしまうことが多くなります。圏外エリアで遭難する可能性を前提に考えて、第三者に登山届、登山計画を伝える必要があります。
静岡県での登山中に起きた遭難に伴う捜索事例。
迷ったら戻る、が登山の鉄則です。危険な道を下ったり、沢に降りてしまうと、滑落や滝への転落など命の危険に直結する事故につながります。
安全を確保し、動かずに体力を温存しましょう。登山届や家族へ伝えている場合は必ず救助が来ます。もし携帯電話の電波が繋がり、警察や消防に通報できた場合は指示に従って下さい。