2023-01-14
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COCOHELI STORIES Vol.11 配信いたしました

【連載企画】COCOHELI STORIES 「いってきます」と「おかえりなさい」の間に。

大峰 菜奈子
AUTHENTIC JAPAN
目次

Vol.11「いってきます」と「おかえりなさい」の間に。登山家で国際山岳ガイドの天野さん。生まれ育った山梨県大菩薩嶺の麓で、家族三人&愛犬と古民家暮らしを楽しんでいらっしゃる天野家の休日にお邪魔しました。

天野さんは「ローツェ(8,516m)」日本人無酸素初登頂、8000m峰6座登頂という実績をもち、2009年に日本人で初めて世界的権威のある「ピオレドール(金のピッケル)賞」を受賞した、日本を代表するクライマーです。山登りが好きなご両親と登山に出掛けていたことが山との出会い、とおっしゃる天野さん。しかしまだ少年だった天野さんにとっての山登りは、“大変できついからあまり好きではないもの”だったそうです。

しかし天野さんが高校生1年生になった時、ある青空市の古本屋で一冊の本に出会うことになります。「『このやまなみの声』という山岳遭難に関する本なのですが、そこでは冒険家植村直己氏が、明治大学に在学するひとりの山岳部員として登場していました。映画「植村直己物語」を200回以上見るほど植村氏に憧れていた僕は、この本がきっかけで明治大学に行きたい、そして山岳部に入部したいと思うようになりました」こうして天野さんは明治大学へ進学。登山家への道を歩み始めることになります。

「入部したらまず山に向かう姿勢と精神論を叩き込まれます。それから食糧・装備・山のことを勉強し、準備することの重要性を学びます。一年生は一番弱い。強くならないと山に負けてしまう。だから守るのではなく鍛える。これが明治大学山岳部の考え方です。そのため最初から容赦なく重い荷物を持たされます。1年生には重さを教えてくれないのですが33kg位から始まり、それが1年生の後半では48kg位に。一年で15㎏増やされるのでつらいのですが、体がだんだん作られてきます。後からそんなに増えていたことに気づき、それが自信にもつながります。」こうして山に関する多くのことを山岳部時代に学んだそうです。

卒業後、数々の遠征を成功させるうちに、天野さんはその経験を伝えていきたいと思うようになります。「山に行けば良いことも悪いことも、そして危ないこともいっぱいある。僕は山岳部でそれを学ぶことが出来た。でも今は山を始める入り口が増えている一方で、山について学ぶ機会が少なくなっていると思うのです。山の本質を理解せぬまま見様見真似でやれているけど、全然本質を考えられていないようにも感じます。正しい知識を伝える必要性を感じています。自分の経験や技術を伝えることで、本当の意味で山を楽しむことができる人が増え、その人たちを通じて広がることを願っています。」

天野さんが山に行く時に一番大事にしているのは、とにかく無事に帰ってくること。「そのために大切なのが、準備はもちろんですが現場で無理しないこと。ただその判断が難しい。若い時は多少のチャレンジもいいと思います。それが若さの良い部分でもあるので。しかし年を重ねて仕事や家族ができたりすると、その責任と共に許容できる範囲はだんだん狭くなります。僕自身山で死ぬことは怖いと思っていませんでしたが、もし遭難したら、捜索に関わる方々や山の仲間、そして家で待つ家族に大きな負担をかけてしまう。遺体が見つからなければ家族は生命保険金も受け取れない。ココヘリにはその負担を軽減する役割もあると思っています。決してココヘリを持ったから山での判断の基準が甘くなることはありませんが、ココヘリは自分の命を守るためのツールとしてはもちろん、仲間や家族の負担を減らすためにも必要だと思っています」

40代になった天野さんは、再度ヒマラヤ登山にチャレンジするそうです。「年齢を重ねた自分がどんな登山をするのか、自分でもすごく興味があります。今回のチャレンジでは20代30代40代の三名で登ります。若い二人に僕の経験が加わることで選択肢も増えると思います。彼らの若いエネルギーを近くで感じて、僕もワクワクしています。そうやって今では自分が登山を楽しむことと共に、これまで僕が得た経験や知識をだれかに伝えていくことが楽しみになっています」

奥様と息子さんにもお話を伺いました。「山にいることが多いので心配してもきりがないです。知り合った時から山に登っているしている彼だから、信じて帰りを待っています。ココヘリがあるといざという時の安心感はありますね」と奥様。「自分の好きなことで世界的な賞をもらったお父さんを尊敬しています。僕も自分の好きなことを見つけて頑張りたい」と大好きなお父さんとのバスケットからの帰り道、息子さんは話してくれました。

数々の山に挑戦し、自らが登山を楽しみながらもこれからを担う未来の登山者や登山文化の継承に思いをはせる。そんな天野さんの挑戦をココヘリも応援しています。

「いってきます」と「おかえりなさい」の間に。

#ココヘリ

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