【連載企画】COCOHELI STORIES 「いってきます」と「おかえりなさい」の間に。


vol.45 山で出会ったご夫婦と、ミニカーが大好きな息子さん。そして生まれて間もない娘さんと過ごす原田ファミリーの休日にお邪魔しました。


山に行き始めたのは社会人になってから。地元富山の会社に就職したものの、長野県の松本支店に配属されたんです。知り合いもいないし、やることないし、でも周りに山はいっぱいある。じゃあ山でも登ってみるか、と思ったのが始まりです。若さと勢いで初めから常念岳に登ったのですが、目の前に広がる景色や澄んだ空気、山頂で食べるごはんの美味しさにすっかり魅了されました」と原田さん。その後、長野と富山を行ったり来たりしながら山に通うようになり、友人と訪れた南アルプスの山行で奥様と出会ったそうです。「友達の友達って感じで、一緒に山に行くようになって。富山側と長野側からそれぞれ車で来て、上高地集合ねっていう。遠距離山デートでした」と原田さん。

一方、奥様も登山は社会人になってから。「長野出身で。山はあったのですが登山はしていませんでした。ところが職場の人に誘われて登ってみたら、きついんですけど、汗だくで登ったあとにぱっと視界が開ける感じとか、山頂での達成感がすごくて。どんどんハマっていきました」と奥様。今は2人のお子さまに恵まれ、お二人は育児の真っ最中。それでも山への思いは変わらないそうです。「私は授乳があるので今は山に行くことができません。娘が1歳を過ぎて授乳が終わったら、祖母にお願いして二人でまた山に行きたいと思っています。蝶ヶ岳とか、家からすぐ行ける山をゆっくり二人で歩きたいですね」と奥様。


今は奥様と一緒に山に行けないので、原田さんのスタイルも山歩きからトレイルランニングへ。「走った方が早く・遠くまで行ける。自分だけ山に行かせてもらっていることもあり、限られた時間でも遠くへ行けるように、走り始めました」と原田さん。そんな原田さんが初めて出場した大会が美ヶ原のトレイルランニングレース。「まともに練習もしておらず、勢いに任せて飛ばしてなんとかゴール、と、とても大変な一日でした。初めてのレースだったのですが、今考えるとよくあそこで嫌いにならなかったなと思います」と苦笑。それほど大変なレースだったそうです。以後、走る距離はどんどん伸び、今年はついにMt.Fujiの100マイルレースを完走。「夜通し走るので幻覚を見ることもあるし、正直しんどいです。でもゴールしたときの家族の笑顔を浮かべると最後まで頑張れます。そして“無事に帰らなきゃ”と強く思います」と原田さん。

そんな原田さんは、安全のためのルールを決めているそうです。「まずは行き先と大まかな行程を家族に伝えます。そして、設定した予定時間までに連絡がなかったら、奥さんが迷わずココヘリへ通報してくれるようになっています。また、安全のためトレイルランナーとしては装備が多いほうなのですが、特に水は多めに持ちます。また、紙の地図よりスマホとアプリに頼る事が多いので、モバイルバッテリーも多めに持ちます。そして天候や体調に違和感を覚えたら、引き返す勇気も忘れないようにしています」と原田さん。


ココヘリへの入会について伺うと、「私の方が先に入会したと思います。山にたくさん行くようになって万が一のことが心配でしたし、親もとても心配していたので。“何かあったらちゃんと探してもらえるように”というお守りのつもりで入会しました」と奥様。その後原田さんも山に行くことが増えてココヘリに入会。「もちろん何も起こらないのが一番いい。でも、もしもの時に見つけてもらえるスピードが全然違うと思うので、持っておいた方がいいなと感じました」と原田さん。今はココヘリのライフビーコンアプリを夫婦それぞれのスマホに入れ、奥様が原田さんの現在位置を確認することもあるそうです。「地図はあまり読めないので正確な時間は分からないんですけど(笑)、電波があるところなら“今この辺を走ってるんだな”ってわかるので、少し安心できます。大会のゴールで待っていたのに、遊びに夢中でゴールシーンを見逃したこともあって……次こそは子どもたちと一緒に迎えに行きたいです」と笑顔で話す奥様。

「子供たちには外で思い切り体を動かしてほしい。いずれは家族みんなで山を歩いたり、キャンプをしたりしながら、自然の中でいろんなことを感じてほしいですね」と口を揃えるお二人。一方でランナーとしての目標は、「年代別でもいいから入賞して表彰台に立ちたい。特にDEEPJAPANで表彰台に上がりたいです。」と少し照れながら話す原田さん。隣でその言葉を聞きながら、「じゃあ私はサポート隊ですね」と笑顔の奥様でした。
山で出会い、家族になり、これから子供たちと一緒に山と自然を楽しむ原田ファミリー。そんなご家族にココヘリは寄り添い続けます。
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