2025-10-20
お知らせ

放牧牛のスマートな管理に、ココヘリの技術を応用

目次

農研機構の実証実験に活用いただきました

ココヘリの無線技術を応用したペット捜索用の「ココシッポ」が、「中山間地域における放牧牛管理のスマート化」の実証実験で採用されました。

この実験は、農研機構 西日本農業研究センター 周年放牧研究領域が取り組まれているものです。

放牧牛管理の現場課題

放牧飼養は牛が自分で歩き回って餌(牧草)を食べてくれるため、餌やりや畜舎の掃除の手間がいらず、餌の購入も少なくて済む、省力・低コストな飼養方法です。高齢化や人手不足により農地の管理が難しくなりつつある中山間地域では、土地管理の面からも放牧を取り入れた畜産の発展が期待されています。しかし、放牧は牛の探索や安否確認など別の手間が必要となります。特に子牛は群れから離れ、草むらなどに隠れてしまうことも多く、時に探索に多くの時間を要します。放牧牛の事故や行方不明のリスクを減らし、日常の管理で牛を探す時間を減らすことが課題となっています。

実証実験の内容

本実証では、子牛に装着した「ココシッポ」の発信機と、管理者が持つ受信機を活用し、探索効率を検証しました。

5ヘクタールの放牧地における無線探索機器の使用の有無による探索者の軌跡の違い。

★ は探索開始場所、 ● は子牛の居場所、白い線は牛を探すために移動した軌跡。

  • 発信機無しの場合:牛を求めて放牧地を長時間歩き回る必要がある(図:左)
  • 発信機有りの場合:発信機からの信号を基に、専用の受信機で方向をナビゲート表示。最短に近い直線ルートで子牛に到達でき、探索時間を大幅に短縮できることを確認(図:右)

さらに、発信機を首上部に安定して装着できる専用収納ケース(特許出願中)を開発され、受信効率を一層高めています。

今回の取り組みは、放牧管理の省力化・効率化とともに、放牧牛の安全を確保する という両面から意義を持つものと捉えています。

本研究の詳細

農研機構 西農研ニュース 2025年7月号

https://www.naro.go.jp/publicity_report/publication/laboratory/warc/news/170005.html

「ココシッポ」とは

山岳遭難向け捜索サービス「ココヘリ」で培った無線探索技術を応用した、ペット用の探索サービスです。

特徴

  • 小型・軽量設計:首輪に装着できるコンパクトサイズで、動物に負担をかけません。
  • 方向ナビゲーション機能:発信機からの電波を専用受信機で受け取り、ペットまでの方向をナビ表示。効率的に発見へ導きます。
  • 安心の技術基盤:遭難救助の現場で使われてきた「ココヘリ」の仕組みを応用しており、信頼性の高い探索を実現します。

本来はペットの迷子防止を目的に開発された機器ですが、今回の実証実験では放牧牛管理に応用され、省力化と効率化の効果が確認されました。

サービスサイト

https://hitococo.com/form_cocosippo/normal/


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