【連載企画】COCOHELI STORIES 「いってきます」と「おかえりなさい」の間に。
Vol.25 丈夫で超軽量、かつおしゃれな登山ギアのガレージブランド「UJMT.」を運営されている氏家さんご夫婦。八ヶ岳の麓で登山ギアを一つ一つ手作りし製造・販売しながら暮らす氏家さんご夫婦の日常にお邪魔しました。
山好きが高じて八ヶ岳の麓に移住してきたという氏家さんご夫婦。お二人が山登りを始めたきっかけはキャンプだったそうです。「よく二人でキャンプに行っていたんです。山を眺めながらビールを飲んで、料理して、焚き火して…とひと通り楽しんでいました。そうしているうちにキャンプ場から見える山そのものに興味が出てきた。いつの間にか自然に登山を始めていました。当時は大阪から休暇のたびに長野に来て、車中泊をしながら遠征のような感じでアルプスの山にいくつか登り、大阪に帰って仕事をする…そういったことを繰り返していました。休暇のたびに長野へ来ていたので、この際長野に住んだほうがいいのか?と夫婦で話し合って、「とにかく一旦住んでみるか!」と、こちらに転職先を見つけて移住してきたんです。」と氏家さん。
移住当初は宿泊施設でお仕事をなさっていたお二人が、登山ギアのブランドを立ち上げた経緯についても伺いました。「私の転倒がきっかけです。ザックが重くて疲れてしまい、なんでもないところで後ろに転んでしまいました。幸い斜度が無くずるずると下がっていく程度で済みました。もしも斜度があったら止まらずに転がり続け、大けがをしてしまったかもしれなかった。そのことで荷物が重いのは命とりだと気づき、できるだけ荷物を軽くしてリスクを減らすという考え方になりました」と奥様。
「軽量化は安全に繋がる。だから軽量化するために色々やりました。様々なものを軽量化して色々やりつくした結果、ついに収納ギアの軽量化にまでたどりつきました(笑)。薄くて軽いけど丈夫な“ダイニーマ”という生地を見つけたんですが、当時はダイニーマを使っているブランドは限られていて、欲しいものがあまり選べませんでした。そこでちょうど前職で工業用ミシンを使っていたので、「この際、欲しいものは作ってみよう!」ということになり、自分たちで欲しいものを作り始めました。生地はある程度まとまった単位での購入だったので、自分たちが使うもの以外にもいくつか数を作ることができました。そこで仕事しながら時々商品を作り、ネットで販売し始めました。当初はわずかですが、それでも月に3~4件売れました。僕たちと同じように軽量ギアを探している人がいたんですね。前職を辞める時にもまだこれで生計を立てるとまでは考えていなかったんですが、「UJMT.」もいつの間にか3年目になりました」と氏家さん。登山者であるご自身が欲しいものを作っていくうちにブランドが誕生し、今もご自身が一番の顧客なんですね。私もお話を聞いているうちに欲しくなり、購入して愛用させていただいています。
これからのお二人の夢を伺うと「もう少しブランドが安定したら、もっと山に行きたいと思っています。せっかく移住してきたのに、仕事が忙しくなってしまったのでまだ八ヶ岳全山縦走もしてないし、北アルプス系は登ってない山がいっぱいあるんです。もちろん山に行かないと製品を作る際の気づきもないので登山はしているのですが、仕事用の登山が増えてしまいました。登山をしていてもつい考えるモードになってしまうので、山を純粋に楽しめなくなるんですよ。職業病というか…近づきすぎたが故の悩みというか(笑)。山にかかわる仕事がいいと思ったんですけど、いざやってみるとそれはそれで悩みが尽きないです!」と氏家さん。「軽量化が安全への対策のひとつ。重いし体力ないからいけないっていう方もいっぱいいると思うのですが、出来るだけ軽量化して楽しく山に行けますよっていうのも発信していけたらなとも思っています」と奥様。悩みがあるといいつつも、あれやこれやとお話しされているお二人はとても楽しそうで、八ヶ岳の澄んだ空気のようにすがすがしい笑顔が印象的でした。
軽量化にこだわるお二人にココヘリ(20g)についてみました。「これは重いって思いませんでした。荷物を減らして軽量化することは安全に繋がることですが、僕ら独学で山やっているから、やっぱり“安心を担保するために必要な物”は削らない。ココヘリの20gは必要な物‼」と、力強いお答えが返ってきて嬉しくなりました。「安全のためにやれることはやって、山に行くときは夫婦で一緒の事が多いので、実家の母へLINEで山に行くことを伝え、登山届を出してから出かけています」とおっしゃっていました。
八ヶ岳の麓で、登山者のためのギアブランド「UJMT.」の製品を開発しながら自らもしっかりと山を楽しむ。そんなお二人の生活にココヘリはこれからも寄り添い続けます。
#ココヘリ