宮城県内での捜索・救助事案におけるココヘリの活用を機に、2025年10月6日(月)、仙台市消防航空センター及び仙台市消防局荒浜訓練にて、宮城県防災航空隊・仙台市消防局航空隊・ココヘリの三者による合同訓練を実施しました。今回のテーマは「電波による位置特定」と「ドローンを活用した探索技術」。現場での迅速な初動対応をめざし、実践的な検証を行いました。
■ 座学講習:電波の特性と受信の仕組みを理解
訓練はまず、屋内での座学講習からスタート。航空隊員や防災関係職員の皆さんに向けて、ココヘリの発信機がどのように電波を発し、受信機がその方向を捉えるのかを解説しました。実際の遭難捜索事例や、地形・天候による電波への影響なども共有。受講後には、「想像以上に電波の精度が高く、現場での判断に役立ちそう」「どのように捜索を展開すべきか具体的にイメージできた」といったお声をいただきました。
■ 屋外訓練:実際の電波捜索を体験
その後屋外に移動し、電波受信訓練を行いました。草地に設置した発信機を探しながら、受信機の指示する方向と電波の強度を確認。複数人が連携して、発信源を特定していく流れを体験していただきました。「思ったより早く位置を特定できた」「チームでの連携が重要だと分かった」など、現場を想定した実践的な訓練となりました。
■ ドローンを活用した新たな捜索のご紹介
実際に受信機の性能を体感いただいたのちに、ドローン「Matrice 30T」を使用した捜索デモンストレーションを実施。ドローンに搭載したココヘリ受信機から発信機の電波を捉えて位置を特定。地上隊が受信機で最終的に発信機を見つけるまでをご覧いただきました。
今回の訓練では、宮城県における救助機関と民間が連携し、「電波による位置特定」という共通の技術を軸にした捜索体制づくりの強化を行いました。参加者の皆さまからは、「現場に合わせた柔軟な運用の可能性を感じた」「ドローンによる支援体制をもっと広げたい」といった意見もいただきました。ココヘリでは、今後も全国の救助機関に協力し、“遭難者をいち早く見つける”ための訓練を実施し継続してまいります。